相続コラム

「2016年2月」のコラム

一般社団法人を活用した相続税対策も最近注目されております。

一般社団法人と株式会社の大きな違いは、出資という概念が存在しないことです。
つまり出資額を財産評価する必要が無い、ということです。

会社を使った節税対策は、短期的に考えれば不動産の時価と相続税評価額との差額を利用した株式評価額の圧縮効果の活用が主となりますが、長期的に考えれば不動産収益の内部留保により株式評価額は段々と上がっていきます。

これが一般社団法人であれば、いくら内部留保しても、その留保額が個人に帰属することはないので、個人資産として評価されることはありません。

合名会社の活用は短期的目線で、一般社団法人の活用は長期的目線で行うべきでしょう。

合名会社を活用した相続税対策があります。

合名会社とは、役員全てが「無限責任社員」といわれるものです。無限責任とはつまり「会社全てのリスクに対して責任を負う」というような意味です。

我々が「会社」と聞いて一般的に想像するのは「株式会社」ですが、株式会社の株主は有限責任であり、自分が出資した額の範囲内でしか責任を負いません。最悪大赤字で会社が倒産したとしても、株主はその出資額が戻って来ないだけで済みます。

ところが合名会社はそうはいきません。無限責任ですから、その会社が有している債務、例えば銀行借入金、給与や税金の未払いなど、個人資産を処分してでも支払う義務があります。

ということは、その合名会社の財務内容が債務超過であった場合には、その出資額はマイナス財産として評価できますよ、ということです。

【国税庁HP】
合名会社等の無限責任社員の会社債務についての債務控除の適用
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/05/03.htm

合名会社が賃貸用不動産を銀行ローンで取得すれば、その財産(土地・建物)は実際の取得額よりも低い評価額となりますし、一方で銀行ローンは額面での評価となります。
つまりマイナス評価となりますよ、ということです。

これが株式会社だと、有限責任なのでマイナス評価はできません。
ゼロ円が限度です。


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