相続コラム

昨年の夏頃、「遺言控除」なるものが新聞紙上を賑わせました。

「自民党の「家族の絆を守る特命委員会」は、遺言に基づいて遺産を相続すれば残された家族の相続税の負担を減らせる「遺言控除」の新設を要望する方針を固めた。遺言による遺産分割を促し、相続をめぐるトラブルを防ぐ狙いだ。...2018年までの導入をめざす。(日本経済新聞H27.7.9記事より抜粋)」

その後何の音沙汰もないので、もう自民党の間でも忘れられてるのかもしれませんし、あるいは着々と水面下で動いているのかもしれません。

発案者側の思惑がイマイチよくわからないのですが、普通に考えれば「遺産分割内容をしっかり定めた遺言を残すことによって、遺産争いを減らそう」というのが狙いなのかな、とも思えるのですが、果たしてそんな単純に減るものだろうかと思います。

いくら故人の遺志だといっても、あまりにも不公平な分割内容だと遺族間の不平不満は避けられないでしょうし、遺留分を侵害していれば結局は争いへと繋がります。

また例えば遺言に記した財産に漏れがあったりすると、その漏れた財産は分割協議しなければなりませんので、あまり意味がなくなることがあります。

遺言を残しておけば万事OK、というのはさすがに短絡的です。
よくよく内容を吟味したうえで、専門家の助言を得ながら作成すべきです。


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