相続コラム

「2014年9月」のコラム

賃貸不動産から生じた収益は、たとえそれが信託財産であろうとも、不動産所得として確定申告する必要があります。

では誰が申告しなければならないかと申しますと、その収益を得る権利を有する人、つまり受益者です。
元々の所有者である委託者、形式上の所有者である受託者は申告する必要がありません。

若干の例外規定はありますが(後日説明します)、基本的には通常の確定申告とほぼ変わりありません。
まず暦年(1月1日〜12月31日)を一つの期間として所得計算しますので、たとえば信託の計算期間を4月1日〜3月31日としているような場合は注意が必要です。必ず暦年に置き換えて計算し直さなければなりません。

そしてこれまた基本的なことですが、受益者が受託者から信託配当を受け取っているか否かに関わらず、その得られるべき収益の額を申告しなければなりません。会計上「発生主義」「実現主義」などと呼ばれるものです。

また申告書に別途添付しなければならない書類等があることは既に申し上げた通りです。
http://ameblo.jp/sapporo-souzoku/entry-11917332481.html

受託者は、毎年1月31日までに、「信託の計算書」を税務署に提出しなければなりません。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/annai/23100054.htm

主な記載事項は以下の通りです。

1.委託者、受益者の氏名や住所など
2.前年12月31日時点の、その信託にかかる資産や負債の内訳
3.前年中における信託の収益や費用の内訳
4.受託者が受け取った報酬の額

この計算書は、受益者ごとに作成します。

なお、収益の額が3万円以下である場合には、原則この計算書は提出する必要はありません。

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